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 僕のブログは、しばしば(と言うよりほぼ毎回)「草刈り業者」の存在に言及している。草刈り業者というのは千葉県の郊外部(限界分譲地)特有の業態で、東京や神奈川などの遠方在住の分譲地所有者に代わって、おおよそ年2回、敷地内と前面道路の草刈りを行って管理する業者のことである。

 単純に草刈りのみを請け負う業者もいれば、日栄不動産(茂原市)や大里綜合管理(大網白里市)のように、管理の傍ら、限界分譲地の売買の仲介業務を行う業者もある。
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 日栄と大里は、購入の仲介も誠実に受けてくれる業者であり、僕が知る人の中にも、同社の仲介で土地を購入した人は何人もいるが、一部の草刈り業者の中には、一応アリバイ的に売地の看板や広告を出してはいるものの、販売にはきわめて消極的な業者もいる。

 僕も以前、ある草刈り業者の土地に売地の看板が出ていたので、価格を聞こうと問い合わせたところ、その業者は、うちは頼まれて売地の看板を立てているだけだから、欲しければ自分で登記簿を見て問い合わせてくれと言われてしまった。これでは看板の意味がほとんどない。
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 草刈り業者にしてみれば、そんな、二束三文にしかならない土地の仲介手数料を手にして、管理地をひとつ失うくらいなら、売れずに今後も引き続き草刈りを依頼されていたほうがずっと良いのはわかるのだが、買い手を待ち続ける売主にしてみればたまったものではない。

 もっとも、土地が売れないのは、売主が現在の実勢相場に納得せずいつまでも非現実的な高値を提示し続けるからというのもあるので、一概にすべて草刈り業者の責任であるとも言えない。
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 不在地主が費用を払ってまで草刈りを続ける理由は、放置していると隣地や道路にまで雑草が越境し、行政や近隣住民からクレームが入ることと、雑草や雑木で荒れ果ててしまうと、それこそ売却が困難になってしまうためだ。

 だが、これはちょっとどうかと思うのは、そんな小細工をしたところでどのみち売却困難な土地、例えば建築許可が下りない放棄分譲地の奥深く、周囲は雑木林と化した未管理区画ばかりの中であろうと、律儀に草刈りを続けている土地を見かけることである。

 建築不可の放棄地は、管理せず放置しても良いとまでは言わないが、お金を払って草刈りを続けたところでどうにかなるものではなく、賽の河原の石積みと言うか、傍から見ても実に不毛なことを続けているように見えてしまう。
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 草刈り業者も、別に地主を脅迫して無理矢理草刈りを強要しているわけではないし、結局は依頼者の自由意志に基づく自己責任の話になるのかもしれないが、もう少し、自分の所有する土地に対して冷静な関心を持っても良いのではないだろか。誰が見ても、そこが草刈りの必要がある土地であるかどうか、また、そんな土地を果たして数百万円支払って購入する者が現れるかどうか、もはや火を見るより明らかである。
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 しかしその一方で、限界分譲地を巡っていると、以前は草刈りが行われていたはずなのだが、いつの間にか放置されている区画が散見されるようになってきた。正確に数をカウントしているわけではないので、あくまで印象だけの話になってしまうが、以前よりもそのような放置区画を見かける頻度が上がっているような気もする。

 草刈り業者は、管理に入らなくなった土地でも、立て看板を回収することはあまりなく、現地にそのまま放置されていることが多いのだが、僕の住む分譲地にも、そんな区画が2区画出現している。新しい相続主が、草刈りは不要と判断したのだろうか。
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 草刈り業者に依頼することなく自力で草刈りを続ける地主の方もいる。我が家のすぐ近くの区画の地主さんも、年に2回ほど、ご自宅のある茨城県南部の某市から、奥様とご一緒に光町まで来られて草刈りをしている。

 我が家の前住民からの慣習らしく、その際は我が家が外水道をお貸しすることになっている。傍目から見ると大変そうだが、いつも夕方まで、時折お茶を入れながら熱心に作業されているので、あれもお二人にとっては大事な時間のひとつなのかもしれない。

 その地主さんは特に売却のお話は何もしていないが、手製の売地看板を立てて買い主を待っている区画も頻繁に見かける。ご自宅や、携帯電話の番号が記されていることが多いが、率直に言って電話するのには少々心の準備が必要だ。
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 と言うのも、往々にして、積極的な売却の意思を持つ方ほど売値を高く提示するもので、それがあまりに相場とかけ離れているからと言って、実勢相場から算出した無情な指値をしようものなら逆上されてしまうケースも多々あるからだ。

 草刈りは結構な重労働なので、その手間を省くために、防草シートを敷いて繁茂を抑えている区画もある。正直なところ、これが一番合理的な手段であると思う。ただ、自宅の周りが全部防草シートで覆われている光景というのもあまりに寒々しいので、この手法が一般化することがないよう、僕はサブブログで小声で呟く程度に留めておきたい。
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 上の画像の通り、適切にシートが敷かれた土地は、隙間から顔をのぞかせる雑草もわずかで、一旦敷いてしまえばほとんど手入れの必要がない。僕も自分の土地に防草シートを敷いてはいるのだが、僕はホームセンターやAmazonで売られている安物を選んでしまったためか、シートの上に再生砕石まで敷き詰めてあるにも関わらず、強い雑草は防草シートを突き破って、シートの上で思う存分生育してしまう。何でもそうだけど、安物はやっぱり安いだけのことしかない。
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 除草剤も1つの選択肢であり、僕も公園跡の整備は除草剤を使用しているが、懸念されているグリホサートの健康被害を抜きにしても、例えばその土地を売却する意志がある場合、恒常的に除草剤を使用していて雑草の一本も生えていない土地では、菜園用地を探している方からは決定的に忌避されてしまうと思うので、その採用は慎重にしなくてはならない。
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 何にしても、限界分譲地における草刈りというものは、不在地主にとっても、またそこに住む住民にとっても、頭の痛い問題であることに変わりはない。草刈りが好きな人ももちろんいるし、僕も草刈りを終えたあとの爽快感は嫌いではないが、夏場の猛暑での草刈りはやはりしんどいものがある。そうは言っても、今の時期のように寒い日が続くと、また春の、新緑と雑草の時期が待ち遠しくなるのも事実である。
十倉 (49)