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 仕事や雑用が重なり、メインブログ、そしてこのサブブログともに、すっかり開店休業の状態になってしまった。カネに目がくらんでYouTubeの世界に行った、なんて言えるほど、実入りは増えているわけでもないのだが(動画制作は経費が多い)、動画の収益を見込んでバイトを減らしたために、日々の生活費のためにはどうしても動画制作を優先せざるを得ず、合間に行う執筆も寄稿記事が優先なので、不本意ながらブログは一番後回しになってしまう。

 それ以上に、以前と違い、今は分譲地を見に行ったり調査を進めても、基本的にそれは仕事で使う素材だったりするので、フライングで自分の私的なブログで公開できない事情もあり、はたから見れば好きなことを仕事にしているように見えるかもしれないが、これで案外思い通りにいくわけでもないのが現実だ。
  
 さて、本日(9月30日)は、いよいよ自著の発売日である。実際には、すでに一部の書店では店頭に陳列されているとは聞いているが、Amazonの発送は正式発売日である今日から行われている。発売日なのに、何故かカバーにキズ・ヤケがある「開梱品」が出品されているがそれはいいとして、これでひとまず書籍については無事に着陸し終えたということになる。

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 奇しくも、今日はコンビニバイトの最終出勤日でもある。YouTubeが軌道に乗り始めた6月上旬に、動画制作や記事の執筆に専念したいということで退店を申し出たものの、一向に後釜となる従業員が入店する気配がなく、僕の退店日は決まらないままだった。

 月に2度程度まで出勤日を減らしながらも、僕が出勤しなければ店長の休みがなくなってしまうので、やむを得ず続けてきたものだが、さすがにスケジュール的に過酷になってしまったので、9月いっぱいで退店したい意向を再度申し出たものである。

 おそらくこの3ヶ月間、夜勤バイトの応募の申込みは、ただの一度も来ていなかったと思う。僕は若い頃にも何度かコンビニのバイトの経験があったが、どちらかと言えば夜勤バイトは長期間続ける方が多く、人手不足に陥りやすいのは、むしろ学生が入る夕方の時間帯だった気がする。それが時代が変わり、おそらく今はどこも、夜勤バイトの確保には相当苦労しているのではないかと思う。

 学生のように、卒業や就職などを機に退店する人はいないので、定期的に人が入れ替わるということはないものの、ひとたび辞められてしまえば、それこそ今回の僕のバイト先のように、いつまで経っても後釜が入らないまま、ひとり店長にその負担がのしかかることになる。
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 退店するバイト先の店長は雇われ店長でオーナーではなく、過去に幾度か転職を繰り返して今の職に就いている。年齢も若くなく、店番から掃除、商品の発注から駐車場の草むしりに至るまで、すべて一手に背負う労働集約型の権化とも言えるコンビニの管理者業務は、端から見ても決して楽そうには見えないが、それでも店長は、コンビニは、これまで付いた仕事と比較してずっとピュアな仕事であり、これを続けようと考えていると語る。

 この店長の言葉は僕にもよくわかる。コンビニ業界は、業界全体として見れば、それこそ管理者の過重業務や深夜営業、低賃金やフードロスの問題など課題は山積みだが、従業員の立場からしてみれば、日々の業務において後ろめたいことと言えば、せいぜい期限切れの食品を店頭から下げるときぐらいである。業務の手順は厳格に決められており、お客に対して嘘やでまかせ、ごまかしを行うこともない(たまに一番くじの不正に手を染める店もあるとは聞くが)。

 とりわけ田舎のコンビニというものは、フランチャイズ店舗である以上に、町の商店としての色合いが濃い。日中はそれでも不特定多数のお客が来るとは思うが、深夜は通常、常連以外のお客が来る方が珍しい。本のあとがきにも書いたが、そんな田舎のお店で、日々決められた仕事をこなし、いつもの顔ぶれのお客に挨拶して過ごす日々は、出世や刺激とはおよそ無縁である一方、本当に平和としか言いようのないものだ。

 それでも、それだけでは僕と妻二人の生計を成り立たせるのが困難なので、僕としては原稿や動画制作を優先せざるをえなかったのだが、東京から千葉の片田舎に移住してきた当初の動機を考えれば、僕は本当は、目立つこともなく、ひっそりと店員として静かに生きていく生活を望んでいた気がしなくもない。分譲地や別荘地を巡る調査はたしかに手応えのあるものだが、一方で、青年期のすべてをその日暮らしで過ごした僕にとっては、明日は明日の風が吹く、を地で行くような現場労働の世界を離れるのも、少し寂しくもある。
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